自殺と遺書

おそらく母親はあの手紙を今でも遺書だとは思っていないだろう。
私は死ぬつもりで一枚の手紙を机に置き死にに出かけた。

私が好きな景色がある高台、そこへ自転車を走らせていた。
空は私の心を映してる様にどんより曇っていた。
目的地に着いた時には雨が降っていて好きな景色が台無しだったのを覚えている。
缶コーヒーを飲みながら台無しな景色をボーっと眺めていた。
おもむろに携帯を取り出し、机の手紙を読むように促す電話を母親にした。

・・もう後戻りはできない。死のう。

夜、冬の始まり私は睡眠薬を飲み凍死を図った。
覚めるはずのない目が覚めてしまった・・
寒い・・ 体が動かない・・
生きたい・・
生き物としてごく当たり前な考えが真っ先に浮かんだ。
涙が流れる、声を荒げる地面を何回殴ったか・・
ある程度発散するとまぁまぁ体がいうことを効くようになった。
入口のホットコーヒーを飲み暖をとる。

私の人生何だったんだろうな・・ 虐待に始まり、フラッシュバック、性違和。
生きてた原因を考え出す。まだ3時・・
原因は薬の量とコーヒーじゃないかと感じた。
冷静に考えればなぜあの時コーヒーを飲んだのかわからない。
睡眠薬の致死量は知っていたので余ったのをかき集めて持ってきただけだった。
死にたくないと無意識的に生きる伏線を張っていたのかもしれない。

帰ってきた私を迎えてくれたのは心配した顔をした母親だった。

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トラウマ

GIDの原因として考えられてる一つとして、妊娠時 母体の時のストレスにあるという。
仮にそれが原因なら、私に関してだが頷ける事になる。
私の母親はいつもストレスを抱えてる人でした、そして子供に愛情の注ぎ方を知らない人。
言ってしまうと母親は子供のころ親に虐待を受けていた。
統計にもあるように虐待されたことのある親の80%は子に虐待するとあるように、それが当然のように私に牙を向いたのである。
最近よくニュースで取り上げられてるが、子供が死亡してない事例でいうとこんな事で親は捕まるのかと思うのが大半だ。
虐待は虐待を繰り返すというのは間違っていないと思う、当事者の私が子供の接し方が分からないからだ。
嫌いではないが近づかないでほしいと言うのが本音だろうか。

今は母親とも仲がいいが、虐待の件を許してはいるが、トラウマは解決していない。
虐待の事実を思い出してから私は今までフラッシュバックに苦しめられてきた。

人の言ってることが全て建て前でしか受け取れない。
大きな音に声に過剰に反応する。
人の顔色を常に見る。

これが性別違和のカミングアウトが遅れたところでだろう。
それがなぜ比較的早い段階で女性になれたかというと、この後自殺を図るからである。

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自己手術

痛みとは脳に送る電気信号で過ぎない。要は幻である。

10代の私はかなり病んでいた。
自分の体が自分の体に思えない感覚が常にあり、平気で傷つけてきた。
特に集中したのが男性部分、私には自分で取ることができると思っていた。
壊死、刃物、薬品。考えられる破壊方法は全て行ったと思う。
痛みなんて脳が作るまやかしでしか過ぎない・・
問題は出血だった。
カムを全くしてない時代大事にはしたくなかった。
結論から言うと失敗で終わる、血管を切るというものがどれだけの事なのか身に染みたからだ。

竿に挟みを入れて右手をゆっくり閉じていく・・
このくらいの痛み今までの苦痛と比べればなんの問題もなかった。
しかし太い血管の隣にある細い血管を切った瞬間血が噴き出した、風呂場のタイルに血がかかったのが分かった。
その瞬間血がどんどん流れ出てくる、床のタイルの隙間に血が沿うように染まる・・
そのとき大事にせずに自己手術は無理だと悟った。

次は睾丸を潰そうとした。一般中学生男子の体重すべてかけても潰れることはなかった。
挟みで袋を切ったけどやっぱり血が邪魔をする・・
安全ピンでで袋ごと睾丸を突き刺す、睾丸の周りを突き破る時痛みがなくなった。
しめたとばかりに中をかき回した、その後反対側へ貫通させる。
大人たちはあそこはデリケートと教え込むが全然デリケートではなかった。
なにをしてもその機能は失われたように思えないからだ。
そして、睾丸を輪ゴムできつく縛っていく、熱い・・お腹の中を燃やされたような熱を感じた。

私は絶望でしかなかった。人の防衛機能が憎かった。
カミングアウトもできない・・
ひとりじゃ何もできない・・

死にたい。

虐待のフラッシュバック、性の同一性の欠損。
10代の私は生き地獄の中日々を送っていた。

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